国立航空宇宙博物館

すべての写真は、コニカミノルタ「DIMAGE・Z3」の
1600×1200のスタンダードモード(500K前後)で撮影されています。
オリジナルサイズの写真をご希望の方には無料で差し上げますので、
お気軽にこちらまで 連絡下さい。


Milestones of Flight(展示ホール番号100)


Ryan NYP−1 Spirit of St.Louis

1919年、富豪のレイモンド・オーティーグがニューヨーク〜パリ間を
無着陸横断飛行した者に25000ドルの賞金を出すと発表。これに対して、
何人かのパイロットが挑戦したが、いずれも失敗に終わった。
そんな中、当時無名の郵便飛行士だったC・リンドバーグが、
セントルイス飛行クラブの協力を得て資金を募り、ライアンM−2を改造。
1927年5月、遂に大西洋単独無着陸横断飛行に成功した。
機の名前は、お世話になった人々に因んで、
当初から「スピリット・オブ・セントルイス」と決まっていた。
この機体が一見して異様なのは、前方に窓がないこと。これはオリジナル機の
燃料タンク容量が400Lなのに対し、ニューヨークからパリまでの飛行には
1400L必要だったため、残りの1000Lのタンクを
操縦席前方の機体重心位置に設置したため。従って前方を見る時は、
窓から身を乗り出すか、ペリスコープを覗くしかなかった。
およそ5809Kmを約33時間30分で飛行した。


Bell XP−59A Airacomet

アメリカ初のジェット戦闘機。初飛行は1942年10月1日。
実戦配備はされなかったが、計16機が生産された。


Bell X−1 Glamorous Glennis

1947年10月14日、チャック・イェーガー大尉(後に将軍)の操縦により、
世界で初めて音速を突破した機体。
当時はジェットエンジンが未成熟だったため、動力はロケット。
水20%の入ったアルコールと液体酸素を使ったエンジンは
リアクション・モーターズ社製。推力680Kgのエンジンを4基使用した。
これは燃焼そのものをコントロール出来なかったため、1基ずつ点火して
推力を25・50・75・100%と制御するため。
高度12192mまで上昇し、最初にマッハ1.02、次にマッハ1.06を記録した。
グレニスとは、イェーガーの妻の名前。


Sputnik 1(Replica)

世界初の人工衛星。R−7ミサイルを改造したAロケットを使い、1957年10月4日に
ソ連によって打ち上げられた。直径58cm、重さ84Kgのボール型をした
人工衛星で、4本のアンテナからビーコン電波を発しながら地球を回った。
人工衛星を打ち上げると宣言したアメリカに続き、ソ連も非公式に打ち上げを宣言。
誰もが半信半疑でいた中、本当に、しかもアメリカよりも早く成功させた。
これが世に言う「スプートニク・ショック」である。


North American X−15

ロケットの高々度・高速試験調査機。航空機の数々の飛行記録を塗り替えたが、
飛行機というにはあまりに小さい翼、ロケットエンジンを推力としているなどから、
分類としてはロケットと言った方がすっきりする。
改良進化した最終型での記録は、速度マッハ6.72、高度は108000m。
高度108000mは電離層のE層に当たる部分で、半分宇宙空間。
空気は極薄、分子密度も低く、ジェットエンジンは機能しない。
テストパイロットによる実験飛行は、最初の滑空から延べ199回。その中には、
アポロ11号で初めて月面に降り立ったN・アームストロングの姿もあった。


Mercury Spacecraft Friendship 7

アメリカ初の有人軌道飛行に成功した宇宙船。直径1.8m、高さ2.7mの
円錐形。表面は洗濯板のように波うっているが、これは薄い板で高い強度を得るため。
1962年2月20日に打ち上げられ、地球を4周して帰還。実は2周目に
入ったところで自動姿勢制御装置が故障。パイロットだったジョン・グレンが手動で
操縦し無事帰還させた。この件で彼は国民的ヒーローとなったが、
そのヒーローを事故で失うことを恐れた上層部により、グレンは2度と宇宙を
飛ぶことが出来なくなった。その後はオハイオ州選出の上院議員となり、
1998年10月に77歳という最高齢でスペースシャトルに搭乗した。


GeminiW Spacecraft

ジェミニ計画には、月への往復に相当する長時間の宇宙飛行が人間にどんな影響を
与えるのか、宇宙船同士のランデブーやドッキング技術、船外活動
(EVA。昔は宇宙遊泳と言った)の技術確立、大気圏突入の精度向上、
無重力や真空環境下での科学実験などの目的があった。
ジェミニ4号は1965年6月3日に打ち上げられ、当時のアメリカ宇宙船としては
最も長い4日間の宇宙飛行を実施した。またホワイト飛行士が、アメリカ人として
初のEVAを行った。参考までに、人類初のEVAは、ボスホート2号に乗った
ソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオノフ。


Apollo 11 Command Module Columbia

人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の指令船。全長110m以上の
サターンVロケットのうち、地球に帰還するのはこの部分だけ。
時速39400Kmという超高速で大気圏に突入し、1969年7月24日に
ハワイ南西約1500Kmの太平洋上に無事着水した。
指令船の底面にはアブレーション樹脂が約8cmの厚さで塗られていて、
これが蒸発する気化熱を利用して大気との摩擦温度を下げる。


Pershing−U & SS−20 Missiles

INF全廃条約により廃棄された米ソの中距離ミサイル。左の大きい方がSS−20。


Lunar Touchrock

小さな三角形にカットされているが、アポロ17号が持ち帰った本物の月の石。
本物の月の石に触れるのは、全米でも唯一ここだけ。


Air Transportation(展示ホール番号102)


Douglas M−2

1920年代に生産され、主に郵便配送に用いられた。
展示機のオリジナルは、M−2よりも長い翼を持ったM−4であったが、
後にM−2として復元された。


Ford 5−AT Tri−Motor

自動車メーカーとして名高いヘンリー・フォード社が生産した旅客機。
全金属製の機体は当時「ブリキのガチョウ」と呼ばれたが、DC−3が登場するまで
旅客機の主役を務め、民間航空の基礎を築いた。
1928年には初期の4−ATに、P&W社製の強力エンジンを搭載した5−ATが登場。
展示機はアメリカン航空によって復元されたもの。


Northrop Alpha

エンクローズド・キャビンを備えた、アメリカ初の全金属製旅客機。
6名の乗客または3名+209Kgの貨物を運ぶことができた。
展示機はTWA機。


Boeing 247−D

ボーイング社が1933年に開発した全金属製双発機。当時としては画期的な
可変ピッチプロペラ、引き込み脚、防氷装置などを備えていた。
北米大陸を8時間以内で飛行、乗客は10人。展示機は1934年に
イギリス〜オーストラリア横断レースに使われた機体。


Douglas DC−3

軍民・ライセンス生産も含めると、生産数11000機以上という大ベストセラー機。
初飛行から70年近くが経過したが、今でも世界中で数百機が運用されている。
ニューヨーク〜ロサンゼルス間に寝台旅客機として就航。最終的な定員は28名。
それまでは乗客の他に郵便などの貨物を輸送しないと利益が出なかったが、
この機はその常識を覆し、乗客輸送のみで利潤を生む初の航空機となった。


Looking at Earth(展示ホール番号110)


Lockheed U−2

高々度偵察機。「黒いスパイ機」の異名を持つ。
世界を震撼させたU−2撃墜劇が起こったのは1960年5月1日。
ペシャワルを離陸した同機はソ連のウラル工業地帯の中心都市スベルドロフスク上空で
対空ミサイルにより撃墜された。この事件で東西両陣営の関係は一気に冷え込み、
パリ4カ国首脳会談はキャンセルとなった。
この機は最高高度は25000mに達するが、最高速は時速800Km台。
対空ミサイルの発達により、成層圏と言えども高度だけでは逃げ切れなかった。
本機の特徴は、グライダーのように長大なアスペクト比の大きな主翼。
この翼のおかげで、非常に短い滑走でも離陸が可能。
またパイロットは与圧服を着用する。故障や被弾などでもし運用高度で脱出すると、
機外の極低気圧では体温で血液が沸騰してしまうため。


Lunar Exploration Vehicles(展示ホール番号112)


Apollo Lunar Module

本物の月着陸船。12コ作られたうちの1つ。地球の低軌道周回上で、
指令船とのドッキング試験に使われる予定だった2号機。
試験は1回目で完璧な成功を収めたため、この2号機は使われなかった。
月着陸船は上下2段で構成されている。下段は着陸時に使われる
ロケットエンジンと脚で、月面探査が終了したら、上部のみが切り離され
月軌道上を周回する指令船へと帰還する。
グラマン・エアロスペース社製で、大きさは高さ7m、幅9.4m。


Rocketry and Space Flight(展示ホール番号113)


Engines


タイタンTロケットのエンジン。


左:V−2ロケットのエンジン。
中:ベルXー1に搭載されたXLR−11エンジン。
右:サターンVロケットのF−1エンジン用ターボポンプ。


Space Race(展示ホール番号114)


V−2 Missile

第二次大戦中、ナチス・ドイツが開発したロケット(ミサイル)。
指揮を取ったのは、多くの技術者と戦後アメリカに亡命したフォン・ブラウン。
最初の発射実験は1942年6月。しかし失敗続きで、ようやく実戦に投入できたのは
1944年9月。ドイツが降伏するまでの約8カ月間、イギリスに対してだけでも
約1400発が発射され、そのうち約80%が目標に到達したと言われている。
全長12m、直径1.65m、発射重量12.7t。頭部には約1tの爆薬が搭載可能。


Skylab Orbital Workshop

長期間地球軌道上を周回し、様々な実験を行った宇宙ステーション。
当初20号までの予定だったアポロ計画が17号で打ち切られたため、
余った宇宙船やサターンVロケットを流用して作られた。
ロケットの3段目を改造し、居住・実験スペースとした。


Apollo&Soyuz Spacecraft Module
Joint Mission in Space 

1972年、当時のニクソン大統領がアメリカ大統領として初めてソ連を訪問。
時の首相コスイギンと「アポロ・ソユーズ計画」に合意。
1975年7月、ドイツのエルベ河上空でドッキングに成功した。
エルベ河上空というのが、この飛行の象徴的なところ。第二次大戦中、ナチス・ドイツと
戦ったアメリカ軍とソ連軍が、西と東から進撃して出会ったのが、このエルベ河。
中央のドッキング・アダプターはアポロ宇宙船と一緒に打ち上げられた。
またソユーズ宇宙船は、旧ソ連から貸与されている。


その他の展示品 


左:アメリカのサターンVロケット(右)と旧ソ連のN1ロケットの大きさ比較模型。
左から2番目:左からバイキング、ジュピター、バンガードロケットの実物。
右から2番目:ミニットマンミサイル(左)とスコットロケットの実物。
右:ハッブル宇宙望遠鏡の実物大模型。


左:ユーリ・ガガーリンが実際に着用した宇宙服。
左から2番目:ジョン・グレンが実際に着用した宇宙服。
右から2番目:アポロ計画で開発された月面用宇宙服。
右:旧ソ連が考えていた月面用宇宙服。


左:旧ソ連のアレクセイ・レオノフによる人類初のEVAを再現した実物大模型。
中:日本人として初めて宇宙を飛んだ秋山豊寛が乗り込んだソユーズTM−10宇宙船。
右:トマホークミサイル。


The Wright Brothers & The Invention
of the Aerial Age(展示ホール番号209)


Wright 1903 Flyer

ライト兄弟が開発した世界初の動力飛行機。1903年12月17日に初飛行に成功。
最初の飛行は、わずか36m・12秒。その日兄弟は交互に4回飛び、
最後は260m・59秒間の飛行となった。目撃者はたったの6人。
前方2枚の舟形翼は昇降舵、後方縦に長い2枚の翼は垂直安定板と方向舵を兼ねる。
全長6.43m、全幅12.29m、自重340Kg。
初飛行が行われたノースカロライナ州、キティ・ホークに因んで、
同名のニックネームで呼ばれている。


Apollo to the Moon(展示ホール番号210)


SaturnV F−1 Engine

アポロ宇宙船を月に送り込んだ最強のロケット「サターンV(ブイではなく
ファイブ」の1段目に装備されていたF−1エンジン。
全長5.6m、直径3.7m、重量は8.2t。これが5基装備されていた。
サターンVの1段目には、約630tの燃料(酸化剤も含めると2000t以上)
が搭載されていたが、これを約2分半で燃やし尽くしてします。
その時の時速は9660Km、高度は61000m。
参考までに、ボーイング747ジャンボ機が、東京からニューヨークまで飛ぶのに
使う燃料は約150t。これを12時間かけて消費する。


その他の展示品 


左:アポロ11号コマンドモジュール・ハッチ。
中:サターンVロケットの1/34スケール模型。実際の高さは110m。
右:アポロ11号コマンドモジュール・ディスプレイ。シュミレーターで実際に使われたもの。


左:ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが実際に月面で着用した宇宙服。
中:Lunar Roving Vehicle(月面自動車)。
右:アラン・シェパードが月面でゴルフをした時に使ったクラブ。


スカイラブ4号コマンドモジュール。



以下はほとんど写真のみ。


Golden Age of Flight(展示ホール番号105)


Northrop 2B Gamma Polar Star


Wittman Chief Oshkosh/Buster


Curtiss Robinn Ole Miss


Hughes H−1


Sea−Air Operation(展示ホール番号203)


Douglas A−4C Skyhawk


World WarU Aviation(展示ホール番号205)


Mitsubishi A6M5 Zero


Supermarine Spitfire MK.Z


North American P−51D Mustang


Messerschmitt Bf.109G−6


Macchi C.202 Folgore


Pioneers of Flight(展示ホール番号208)


Lockheed Vega