どうすればできるの?


前項にも書きましたが、クレー射撃を始めるためには散弾銃の所持許可が必要です。
ではどのようにすれば所持許可を取得できるのか、順を追って説明します。
そして許可が下りて銃を所持するまで、いったいいくらくらい掛かるのか。ここが最も
気になるという方もいらっしゃるでしょう。(笑) おおよその金額も併記します。


猟銃等講習会(初心者講習)

5時間ほどの講習を受け、最後の筆記(選択式)試験に合格すれば講習修了証明書が
発行されます。問題は20問出題され、70%以上正解で合格となります。
この講習会は、月に1〜2回行われます。日程と受講申込書は、最寄りの警察署の
生活安全課か銃砲店で入手できます。クレー射撃をやるからには、
この先銃砲店との付き合いも必要となるので、出来れば銃砲店に行った方が良いでしょう。
警察よりも親切丁寧に教えてくれます。(笑)
銃砲店へ行けば、筆記試験時に役立つ「銃砲所持許可取得の要点」と言う小冊子を
購入することも出来ます。試験はそれほど難しくありませんので、これが無くても問題
ありませんが、どうも心配だという人にはお薦めです。私は買いませんでしたが。

受講申請書 銃砲店にて無料で入手可
写真1〜2枚 300円
受講手数料(証紙代) 6800円
銃砲所持許可取得の要点(小冊子) 300円
7400円


教習射撃資格認定の申請

無事筆記試験に合格し講習修了証明書を手にしたら、所轄警察の生活安全課に
教習射撃資格認定の申請をします。早い話が実技試験の申し込みです。
この申請書に添付する書類を揃えるのが少々面倒ですが、ここはメゲずに頑張りましょう。

教習資格認定申請書 銃砲店にて無料で入手可
講習修了証明書 提示するだけ
経歴書 銃砲店にて無料で入手可
同居親族の同意書 銃砲店にて無料で入手可
住民票1通 350円
戸籍謄本1通 350円
写真1〜2枚 300円
医師の診断書(アルコールや麻薬中毒者でないことの証明用) 3000円
手数料(証紙代) 8000円
12000円
累 計 19400円


調 査

教習射撃資格認定の申請に行くと、その場で勤務先や経歴などを聞かれます。
「取り調べのようだ」などと言う人もいますが、決してそんなことはありません。
その後、警察による本人や家族の犯歴や身辺調査があります。
特に問題がなければ、通常は1カ月ほどで合格(?)連絡があります。

犯歴・身辺調査 警察が勝手にやるので無料(笑)
0円
累 計 19400円


猟銃用火薬類譲受許可

合格連絡が来たら、教習資格認定証明書を受け取りに行きます。
その時、猟銃用火薬類譲受許可の申請をします。これは教習射撃に使う実弾を
買うための許可です。この時に限らず、今後銃砲店から実弾を買う時は、
年に1回または許可を受けた数の弾を使い果たした時点で、
警察に弾の譲り受け許可を申請しなければなりません(詳しくは後述)。
今回の許可は教習射撃時のみ有効なもので、教習射撃を終えた時点で警察に返納します。

猟銃用火薬類譲受許可申請書 無料で入手可
手数料(証紙代) 2500円
2500円
累 計 21900円


教習射撃

銃砲店に行って、教習射撃を実施している射撃場を聞きます。
教習射撃は月1〜2回ほど実施されていますので、自分の都合の良い日を選んで
予約してもらいます。この時に大切なことは、教習資格認定証明書の有効期間は3カ月という
ことです。これを過ぎると、せっかく取得した資格が無効になってしまいますので、
出来るだけ早く行動しましょう。
教習射撃当日は、直接射撃場へ出向きます。銃の機構や取り扱いに関する説明を受けた後、
実際に実弾でクレーを撃ちます。1発目を撃った時の衝撃は強烈ですが、すぐに慣れます。
通常は練習で50発を撃ち、残りの25発が試験です。25枚のクレーを撃ち、
2枚以上当たれば合格です。もし2枚以下なら、弾を買い足して撃ち直します。
焦らず慎重に撃てば大丈夫。この試験に不合格となる人はほとんどいないそうです。

教習射撃代(弾代を含む) 30000円
耳栓 200円
30200円
累 計 52100円


銃砲所持許可の申請

教習射撃が終われば、後は所持許可の申請と購入した銃の登録を残すだけです。
所持許可を申請してから発行まで、約1カ月を要します。
なぜなら、ここで再度警察による最終審査があるからです。
通常は自宅や勤務先に電話があるくらいですが、地区によっては警察官が自宅に来たり、
最寄りの派出所へ呼び出されることもあります。
しかし教習資格認定から1カ月以内であれば、この審査は省略されることもあるようです。
また下記書類のいくつかは、添付を免除される場合もあります。
所持許可証が発行されたら、3カ月以内に銃を購入し、受け取ってから14日以内に
その銃を警察に持参し確認を受けます。

銃砲所持許可申請書 銃砲店にて無料で入手可
経歴書 銃砲店にて無料で入手可
同居親族の同意書 銃砲店にて無料で入手可
講習修了証明書 提示するだけ
教習修了証明書 提示するだけ
譲渡承諾書 銃砲店にて無料で発行
住民票 350円
戸籍謄本 350円
写真1〜2枚 300円
医師の診断書(アルコールや麻薬中毒者でないことの証明用) 3000円
手数料(証紙代) 9000円
13000円
累 計 65100円


散弾銃の購入

散弾銃の値段は、正にピンからキリまで。中古なら5万円ほどで買える銃もあれば、
中には新品で2000万円超(!)という銃もあります。
最初に書いておきますが、主にこの価格差は銃本体に施されている彫刻の違い、
つまり美術品的価値の有無です。銃自体の基本的な性能は同じなので、
高い銃を買ったからといって、良く当たるというものではありません。
初めて銃を購入する時の考え方は、大きく2つに別れます。最初は安い銃を購入し、
クレー射撃を長く続けられそうだと判断した時点で改めて高い銃に買い代えるいう考え方と、
最初からある程度高い銃を購入して、それを長く使うという考え方です。
全体的には前者の方が多いようなので、
ここでは国産の中古銃を20万円で購入したとします。

国産の中古銃 200000円
200000円
累 計 265100円


その他に必要なもの

銃を自宅に保管するには、専用のガンロッカーと弾用のロッカーを自宅に
設置しなければなりません。銃と弾は別々のロッカーに保管することが義務付けられており、
どちらのロッカーも壁に固定しなければなりませんし、同じ部屋に設置することも許されません。
参考までに、例え同居の親族であっても、ロッカーの鍵の在り処を教えてはなりません。
その他にも運搬用のガンケースや射撃用のベスト、イヤープロテクタは最低限の必需品です。

ガンロッカー 25000円
弾用ロッカー 10000円
運搬用ガンケース 20000円
射撃用ベスト 10000円
イヤープロテクタ 5000円
銃の清掃用具 5000円
サングラス(なくても可) 20000円
帽子(なくても可) 3000円
98000円
累 計 363100円

ヘッドフォンタイプのイヤープロテクタ。
耳の穴に差し込むタイプの
耳栓よりも消音効果大。

上下2連銃と運搬用ガンケース
分解収納したところ


銃の確認

銃を購入すると、所持許可証に購入した銃の製造番号や銃身長、
全長などが記載されます。これらは全て銃砲店が記入してくれるので、
自分で調べたり計ったりする必要はありません。
銃を受け取った日から14日以内に、購入した銃と所持許可証を持参して
警察へ出向きます。ここで係官が、持参した銃が所持許可証に記載されている銃と
相違ないことを確認します。

購入した銃の確認 無料
0円
累 計 363100円


猟銃用火薬類譲受許可の申請

銃の確認のために警察へ出向いた時、猟銃用火薬類譲受許可も併せて申請します。
前にも書きましたが、これは銃砲店から実弾を買うための許可で、
年に1回もしくは許可を受けた数の弾を使い切った時点で、
改めて申請しなくてはなりません。
通常は一度の申請で許可される数は5000発までです。この許可は即日交付されます。

猟銃用火薬類譲受許可申請書 銃砲店にて無料で入手可
手数料(証紙代) 2300円
2300円
累 計 365400円


以上ですべての手続きが終了です。これでいつでも射撃場へ行き、
クレー射撃を楽しむことが出来ます。
金額は約40万円。ゴルフを始めるよりも随分高いですかね^^
尚、申請に必要な書類や部数、手数料などは各都道府県によって若干異なります。
詳しくは最寄りの銃砲店で確認して下さい。
警察に問い合わしても「銃砲店で聞いて」と言われます。(笑)



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