クレー射撃って何?


一言で説明すると、機械から放出される直径10cm程の素焼きの皿(クレーピジョン)を
散弾銃で撃ち落とすスポーツ。これだけじゃあ何のことか良く分かりませんね。
少しずつ詳しく説明していきます。


使用する散弾銃

散弾銃には「自動銃」「水平2連」「上下2連」などの種類があります。
自動銃は、弾が発射される銃身は1本です。1発撃つごとに、
空薬莢は銃の横から放出されます。
水平2連銃は、その名の通り銃身が水平に2本あり、
各々の銃身に対して1発ずつ弾を装填できます。
上下2連銃も銃身が上下に2本あり、やはり各々の銃身に1発ずつ
弾を装填することができます。

クレー射撃では、ほとんどの人が上下2連銃を使用しています。
上下2連銃は構造上、機関部(火薬を爆発させて弾を撃ち出す部分)を頑丈に造ることが
できるため、射撃のように連続した発射に耐えられるからです。
その他にも「銃身の絞り」などの理由もありますが、以下は省略します。
自動銃や水平2連銃は、連続した発射に適さない代わりに重量を軽くすることが
できるため、主に狩猟用として使われます。

上下2連銃
自動銃
水平2連銃


クレー・ピジョン

クレーは直径11cm、厚さ2.5cmほどの素焼きの皿です。色は白やオレンジが一般的。
このクレーが、放出機から秒速30m〜40mものスピードで打ち出されます。


使用する散弾

散弾とは、ライフルやピストルのように1発の弾ではなく、沢山の小さなツブ状の鉛玉が
投網を打った時のように広がりながら飛ぶ弾のことです。
クレー射撃には、1つの薬莢の中に直径2mmほどの鉛玉が300個ほど入った
弾を使います。銃から発射された散弾は、約40m先で直径80cmほどに広がります。

ウインチェスター社製の散弾
単3電池との大きさ比較

トラップ射撃(後述)用の散弾
1発の中に入っている鉛ツブ


クレー射撃の種目

クレー射撃には「スキート」「トラップ」「ダブル・トラップ」などの種目がありますが、
ここではトラップに関して説明します。トラップの競技人口は、
現在クレー射撃人口の6割以上を占めています。私自身も、この種目を撃っています。


トラップ射撃


射手は射台に立ち弾を装填し、銃を構えた状態で射台に設置されているマイクに
向かってコールします。すると射台から15m先の半地下に設置されている放出機から
クレーが1枚、射手から遠ざかる方向へ放出されます。
放出機は1つの射台に対して3台あり、それぞれ右方向・正面・左方向用となっています。
射手は、どの放出機からどちらの方向へクレーが放出されるのか、
予め知ることは出来ません。1枚放出されたクレーを、射手は1発または2発の弾を
使って撃ち落とします。1発目で当てても2発目で当たっても、
点数は同じ1点です(公式大会の順位決定戦などの場合を除く)。
射手は1枚のクレーを撃つごとに右方向へ射台を移動し、5番を撃ち終えたら
1番射台へ移動します。これを5回繰り返し、計25枚のクレーを撃って
1ゲーム(1ラウンドと呼ぶ)が終了となります。
大会では4ラウンドを撃ち、100枚中の何枚を撃ち落としたかを競います。
参考までに、クレーが放出されてから撃ち落とすまでの所要時間は、約0.5秒〜0.8秒。
技と集中力の勝負です。

白線で囲まれている部分が射台。
各射台に集音マイクが設置されて
いるのが見える
射台から15m先(緑色の台の下)の
半地下に放出機が設置されている。

射台に立って銃を構えたところ
実際のゲーム風景


以上でクレー射撃の概略がお分かり頂けましたでしょうか?



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