滞在記 第3日目
(2007年5月20日)
注) 1EUR(ユーロ)=約170円。
朝になっても腰の具合は良くなりません。朝食を食べに1階へ下りましたが、 20分ほど座っているのもツラい状況。明日は朝イチから電車に乗って ベルギーへ行かなければならないので、もし腰痛がひどくても横になる ことは出来ません。仕方なく午前中から出掛けるのを諦め、部屋に戻って ベッドで横になることに。最悪、今日は一日中ホテルで過ごす覚悟です。

カミさんは出掛けてしまったので、部屋の中にはひとりきり。昨晩激痛で 眠れなかった+朝食を食べてお腹が落ち着いたせいか睡魔が。ウトウト しては起き、またウトウトしては起きを繰り返し、気が付くと12時に。 トイレに起きたら少し腰痛が治まっていることに気付いたので、また 痛くなってきたらすぐにホテルへ戻ると自分に言い聞かせて出掛ける ことにしました。

コルセットを巻いている時に鏡に映った自分の姿を見てビックリ!  腰から上が左に傾いていて真っ直ぐ立てなくなっています! これは ちょっとマズイのでは・・・。

地下鉄に乗ってまず向かったのが、ポンビドゥー芸術文化センター。 目的は4・5階の国立近代美術館です。美術館の入口は、広場に面した 建物のこちら側ですが、裏側の1階には長蛇の列が。あの列は いったい? 美術館の入場待ちの列と勘違いして並んでいる人も 結構いたんじゃないのかな?
センター内には美術館以外にも、ギャラリーや映画館、レストランなど 沢山の施設があります。美術館の入場券売り場も長蛇の列でしたが、 σ(^^)はミュージアム・パスを持っているのでそのまま入場口へ。
エスカレーターで4階まで上がります。2つ上の写真、建物の外に 設けられた階段状のチューブが、このエスカレーターです。
早速4階から見学。ところがオルセーなどと違い「これが芸術!?」って 作品ばかり。芸術とは縁のないσ(^^)には理解不能。
絵画以外にもこんな作品が。何を意図し何を意味しているのか サッパリ分りません。中には良く分からないけどチョット面白いな〜、 と思える作品もあるにはありますが。
誰の作品なのか分りませんが、この前には沢山の人がいました。
こちらは有名なピカソの作品。ピカソの作品も良く分りませんが、 キャンパスにペンキをぶち撒けただけのような作品と比べたら 雲泥の差です。
こちらはシャガールの作品。見入ってしまいます。
こちらはヘンリ・マチスの作品。
続いてやって来たのがルーブル美術館。言わずと知れた 世界3大美術館の一つ。3大美術館には諸説あるようですが、 ルーブル美術館が入っていない例は見たことがありません。
1993年に中庭に新設されたガラスのピラミッド。 今でも賛否両論あるようです。
ビュジェの中庭。17世紀の彫刻家ビュジェの作品が展示されています。
メソポタミア美術。イギリスの大英博物館にも、これと同じような 彫刻が沢山ありました。
メソポタミア時代の壁画のコーナー。ホール中央には湾曲した鏡が 置かれていて、360°背後の壁画まで見ることができる仕組み。
これがハムラビ法典。高さ2.25m、幅0.65mで材質は玄武岩。 法典という名前から本や書類のような物だと思われがちですが、 実際はこのような石碑です。上部レリーフは、ハムラビ王が太陽神から 杖を授与されている様子が描かれています。
表面には楔形文字とアッカド語で文章がビッシリと彫られており、 その中に、あの有名な「目には目を、歯には歯を」の条文があります。 時代は紀元前18世紀前半。
ルーブル美術館を訪れたのは3回目ですが、今回初めて ナポレオン3世の居室を見ました。こんなのがあるなんて知らなかった!
当時の居室が忠実に再現されているそうです。装飾や調度品は 絢爛豪華の一言。
左)蒔絵が施された家具。
右)天井画。
ダイニング・ルームも豪華です。
フランス皇帝ナポレオンの威信と富と権力が伝わってきます。
1820年にエーゲ海のメロス島で発見されたヘレニズム美術の傑作、 ミロのヴィーナス。高さは204cm、材質は大理石。
作られたのは紀元前2世紀頃。背面から見るとこんな感じ。 巻いている布が落ちそうになったので、落ちないように脚を閉じた 瞬間の姿なんだそうですよ。確かに半ケツ見えてます。(笑)
腕やその他の装飾品は未だに見つかっていないため、 本来どんな姿だったのかは不明。
民衆を率いる自由の女神。1830年ドラクロワ作。フランス大作絵画の コーナーでも特に有名な1枚。
こちらも同コーナーにあるナポレオン1世の戴冠式。ナポレオンが妻 ジョセフィーヌに冠を授けている場面。人と比べるとその大きさが 分りますよね。
サモトラケのニケ。エーゲ海のサモトラケ島で発見された ヘレニズム彫刻の傑作。ニケ(英語読みはナイキ)はギリシャ神話に 登場する海の勝利の女神。軍船の舳先に立っています。
作られたのは紀元前190年頃。海戦の勝利を祝い、神殿に 飾られていたとする説が有力。

他にも沢山の絵画や彫刻を見ましたが、とても全部は紹介しきれません。 もちろんモナリザも見ましたが、撮影は禁止されていました。 前回訪れた時はOKだったんですけど。
ルーブルから地下鉄に乗ってアルマ広場へ。アルマとはクリミア戦争で フランス軍が勝利した地名。広場にはナポレオン3世の勝利を記念して 建てられた記念碑、自由の炎があります。しかし近年、ここは違う事件で 有名になり、新しい観光名所となっています。
1997年8月31日、この広場の下を抜けるレンヌ通りのバイパスで、 ダイアナ元英皇太子妃が交通事故で死亡。彼女を偲んでここを 訪れる人が今でも後を絶ちません。
この広場からはパリの象徴、エッフェル塔が良く見えます。元気があれば 展望台にも上るつもりだったのですが・・・。昨日ショーを観に行く 予定だったクレイジー・ホースも、ここから歩いて数分の距離です。
パリのもう一つの象徴、凱旋門。アウステルリッツの戦いに勝利した フランス軍を称える目的で、ナポレオンの命により建築がスタート。 しかしナポレオン自身は着工から7年目で失脚。生きてこの門を 潜ることはありませんでした。
凱旋門正面の巨大な彫刻。向かって左(写真左)がコルトー作、 ナポレオンに女神が勝利の月桂樹を授ける場面。向かって右(写真右)が リュード作、マルセイユから志願した義勇軍の出陣。
凱旋門の上が展望台になっているのをご存じかな? 272段の螺旋階段で 約50m上の展望台へ。ここからはパリ市内が一望できます。 もちろん有料ですが、ここでも例のミュージアム・パスが使えます。
左)シャンゼリゼ通り。
右)エッフェル塔方面。
左)新凱旋門方面。
右)サクレクール寺院方面。
凱旋門の真ん中にある無名戦士の墓。第一次大戦で戦った兵士を 追悼する炎と、祖国のために死んだ一人のフランス人兵士ここに 眠る、と刻まれた墓標。

頑張って動いたけど、腰痛が我慢の限界に。上半身の傾きは更に 大きくなり、加えて横だけではなく後ろに倒れるようにも傾いて きました。それを補うために様々な箇所に力が入るので、脚の付け根、 お尻の筋肉、膝の関節など、あらゆる場所に痛みが飛び火。まだ旅は 始まったばかりだと言うのに!

カミさんと待ち合わせて、パリ最後の夕食は北駅前の レストランLE CAFE DU NORDへ。陽気なギャルソンが好印象。日本語の メニューもありました。

左)カモのコンフィ。普通に美味しかった。
右)豚のスネ肉の煮込みロックフォールチーズソース。初めて豚のスネ肉を 食べましたが、コラーゲンと肉の塊って感じでボリュームも凄い!  チーズのソースが美味でした。

ビール×2とジュース×1で計45.5EUR(チップ別)。大満足・満腹の 夕食でした。明日はいよいよベルギー初上陸。とにかく心配は腰痛。 どうか快方へ向かってくれ!



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