滞在記 第5日目
(2010年5月25日 火曜日)


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注) 1EUR(ユーロ)=約118円。

午前中はマルセイユ(Marseille)の市内観光へ。 地下鉄サン・シャルル駅(Gare St-Charles)の券売機で切符を買って自動改札機を通ろうとしたら、どの改札機もNG。 するとその様子を見ていたフランス人女性(若くて美人!)が「私と一緒に来て」と窓口へ連れて行ってくれ、15分近くも待って係員にフランス語で改札を通れるように交渉してくれました。 世界中どこへ行っても親切な人に助けられます。 しかも必ず、親切な女性は美人なんですよね。性格は顔に出るって言われますが、間違いなく正解です。
ちなみに順番を待っている間に見ていたら、σ(^^)と同じように自動改札機のドアが開かない人が数人いました。 観光客は困り顔でしたが、地元の人は皆そんなことは百も承知なのか数枚の切符を持っていて、ダメだと分かると違う切符を出して通過してました。 相性があるのか? それともNGだった切符は後で交換してもらうのかな?
昨日と同じ旧港駅(Vieux Port Hotel de Ville)で下車。 港の真ん前に、獲ったばかりの魚介類を売る屋台が沢山並んでました。 旧港に停泊しているのは、クルーザーやヨット等のレジャー船。 それなのにこんな所で魚市が開かれているなんてちょっと意外。
旧港北側のパニエ地区(Le Panier)。 場所は丘の上ですが、雰囲気はマルセイユの下町ってところ。 映画「フレンチ・コネンクション2」そのままの佇まいです。

マルセイユと言えば。
かつて中国や東南アジアから低純度のヘロインを密輸して、ここパニエ地区で精製。 高純度となったブツはヨーロッパ各地と麻薬大国アメリカへ輸出されました。 これが世に言う「フレンチ・コネクション」。 実話を基にロビン・ムーアによって書かれた同タイトル小説は映画化され、1971年のアカデミーショーで5部門を受賞。 この作品は映画が大好きなσ(^^)の中でベスト10に入る名作です。 ちなみに1975年に製作された、全編マルセイユで撮影された続編は全くのフィクションです。
丘を西側へ下った海沿いに建つサント・マリー・マジョール大聖堂(Cathedrale Ste-Marie Majeure)。 残念ながら扉が閉まっていて、中の見学は出来ませんでした。
再び丘を上がってサン・ローラン教会(Eglise St-Laurent)前の展望台へ。ここからは旧港が一望できます。 真ん中は旧港入口北側のサン・ジャン要塞(Font St-Jean)、右は南側に建つサン・ニコラ要塞(Font St-Nicolas)。

ホテルへ戻ってチェックアウトして、車でノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂(Basilique Notre-Dame de la Garde)へ向かっている時に事件発生! 渋滞で停車中に、工事現場からバックしてきた車がそのまま 左後方側面に衝突!! すぐに車を下りて確認したら、幸いにも結構な衝撃だったにも関わらず、良く見ないと分からないほどのキズしかついていませんでした。 相手はぶつかった場所を何度も拭きながら「キズはついてないから大丈夫(フランス語だからサッパリ分からないけど 多分そんなニュアンス)」と、涼しい顔で平然としてます。 それ以上どうすることも出来ないのですぐに出発しましたが、これだけはいくらこちらが気をつけていてもどうすることも出来ません。 キズやヘコミがなかったのは本当に不幸中の幸いでした。
きっとフランス人は、車に多少のキズやヘコミが出来ても気にしないんでしょうね。 少し擦っただけで大騒ぎになる日本とは大違いです。

マルセイユの一番高い丘の上に建つノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂。 丘へ続く道は狭く、勾配がキツい場所も沢山あります。 今回の旅行で一番運転に気を使ったのがここでした。教会の下に広い無料駐車場があります。
教会に入ってすぐにあったのが、この礼拝堂。「バジリカ聖堂の礼拝堂がこれなの!?」と思っていたら・・・。
上階に超立派な礼拝堂がありました。天井には大量の金が使われています。 今回の旅行で入った教会の中で、一番凄かったのはここかな。
教会からはマルセイユが一望できます。これがパノラマ写真。 晴れで良かった!
左は昨日行ったイフ島(Ile d'If)、右は旧港。

丘を下ってル・コルビュジェ(Le Corbusier)が設計した集合住宅ユニテ・ダビタシオン(Unite d'Habitation)へ向かっている時に、またまた事件発生。 途中から大渋滞になったと思ったら、あと1km余りの場所で完全に動かなくなってしまいました。 しばらくすると背後から救急車や消防車などの緊急車両が、猛スピードで反対車線を走り抜けて行きます。 その後も車列は全く動かず、諦めてUターンする車が続出。 しばらく粘りましたが解消される気配がないので、仕方なく我々もUターンして次の目的地へ。 折角すぐ近くまで行ったのに残念!

次の目的地はサロン・ド・プロヴァンス(Salon-de-Provence)。 途中、高速道路のSAで給油。軽油40Lで51.21EUR。左がSAのガソリンスタンド。 横に数台並んでいる給油機で給油して(セルフ方式)、真ん中にある小さなブースへ行って、給油機番号を伝えて清算します。 日本のセルフスタンドと同じ。支払いは現金でもクレジットカードでもOK。
右はSAの売店内にあったトタル(TOTAL)の宣伝看板。キャラクターに起用されているのは、シトロエン・トタル(TOTALはフランスの石油会社)チームのエースドライバー、WRC(世界ラリー選手権)チャンピオンのセバンチャン・ローブ。もちろんフランス人です。
サロン・ド・プロヴァンスの駐車場も車でいっぱい。 こりゃまた大変だと思っていたら、運良く「今すぐ出るからここへ入れろ」と合図してくれたオジサンがいて、比較的すんなり駐車することが出来ました。
ここは、あの大予言で有名なノストラダムスが晩年を過ごした地。 彼の絵が大きく描かれた建物があるほどです。あまり知られていませんが、ノストラダムスは医者であり、天文学者でもありました。 右は市街地に建つ、ノストラダムスが結婚式を挙げたサン・ミッシェル教会(Eglise St-Michel)。
左は町のシンボルとなっているアンペリ城(Chateau de L'Emperi)。 内部はルイ14世時代から第一次大戦に至るまでの武器・武具が展示さえている軍事博物館(Musee de L'Emperi)。右は地下にノストラダムスの墓があるサン・ローラン参事会教会(Collegiale le St-Laurent)。
これは一面を苔で覆われた泉、その名も「そのままかい!」とツッコんでやりたくなる「苔むした泉(Fontaine Mousse)」。 場所はPl.Croustillatという小さな広場。
苔むしたは泉からサン・ミッシェル教会へ向かい、途中で左に曲がってすぐ右側にノストラダムスの家(Maison de Nostradamus)があります。 あの有名な予言書もここで書かれました。 中は博物館になっていて、彼の生涯を蝋人形を使って再現。 東京タワーの中にある蝋人形館みたいで結構楽しめます。入場料は4.5EUR。 日本語で書かれた簡単な案内書もあります。
左は外観。右は3階からなるノストラダムスの家の下り階段の壁に掲げられている例の予言。
当初は行く予定ではありませんでしたが、カミさんから「サン・レミ・ド・プロヴァンス(St-Remy-de-Provence)には行かないの?」という質問が。 地図を見たら回れない距離ではないし、見所もあるようなので急遽コースに加えました。 カミさんの目的はもちろん買い物です。(笑)
市街地の駐車場に車を入れて、カミさんお目当ての菓子店へ。 そこからグラヌム遺跡(Glanum)へ移動しましたが、時間の関係で入場は取り止め、すぐ隣のサン・ポール・ド・モーゾール修道院(Le Monastere de St-Paul de Mausole)へ向かいました。入場料は4EUR。
中庭の回廊は12世紀のロマネスク様式。 全ての柱に細かい彫刻が施されています。 草花もきれいに整備されていました。
この修道院が有名になった理由は、精神病院として使われた18世紀に、あのゴッホが1889年5月3日から翌年5月6日まで入院していたため。
回廊の2階には精神病院として使われていた時代の展示室があり、ゴッホが収容されていた病室が再現されています。 その隣の部屋は当時の治療室。ゴッホの時代の精神病の治療法は、今とは大違い。 主な治療はショックを与えることで、最も有効な方法は冷たい水を用いることだと考えられていました。 中央に置かれた2つの小さなバスタブには温水と冷水が入れられ、そこへ交互に浸けられたそうです。 こうすることで、囚われている妄想から抜け出せると考えられていたのです。 今となっては拷問以外の何ものでもありません。
ゴッホは貧困と不遇の生涯を送ったことは良く知られていますが、生前に売れた絵は「赤い葡萄畑」のたった1枚のみだったことはあまり知られていません。 死後に評価が急速に高まり、今ではオークションに出品されると天井知らずの値段が付くのですから皮肉なものです。 ちなみにσ(^^)もゴッホの絵は大好き。特に好きなのが、背景の独特な描写と色使い。
今日の宿Ibis Arlesへ向かう前に、アルルの跳ね橋へ。 ゴッホの絵のモデルとなったこの橋は残念ながらオリジナルではなく、1960年に場所を変えて復元されたもの。 風景も絵とはかなり違っていますが、のどかな雰囲気は同じ。 場所はアルル市街から南へ約3kmほどの地点。 一番近いバス停まで20分くらい歩かなければならないらしいので、車かタクシーを利用するのが賢明。
ホテルにチェックイン後、ひと休みしてから車でアルル市街地へ。 事前に調べておいた駐車場は満車(多分観光客ではなく地元の人の車)でしたが、インフォメーションセンター近くの道路脇に設けられた無料駐車スペースに運良く1台分の空きがありました。
まず向かったのが、フォーロム広場(Pl.du Forum)にあるカフェ・ファン・ゴッホ(Cafe Van Gogh)。ここはゴッホの「夜のカフェテラス(The Cafe Terrace on the Place du Forum,Arles, at Night)」のモデルとなったカフェ。
フォーロム広場から歩いて円形闘技場(Amphitheatre)へ。 直径は最も広い所で136m、フランスで一番大きな闘技場です。 中は明日見学する予定。
ホテルの室内はこんな感じ。 そう言えばチェックイン時に市税を払いましたが、その額は一人0.77EUR。 アヴィニョンの0.09EURに比べれば高いけど、一人100円以下なんて随分安いですよね。
今日の夕食はサロン・ド・プロヴァンスのスパー(SPAR)で買ったサラダや缶詰等と、マルセイユで買っておいた赤ワインでした。
本日のGPSデータ。走行距離は155.0kmでした。



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