滞在記 第2日目
(2006年4月22日)
注) 1US$(アメリカ・ドル)=約120円。
   1マイル=約1.6km。
5時30分起床。6時30分にホテルを出発し、一路ハイウェイを南へ向かう。 ハイウェイと言っても日本の高速道路を想像してはいけません。日本で 例えるなら「ほとんど片側一車線の地方国道」って感じ。でも直線区間が多く 信号もほとんどないので、とても走り易い。制限速度は郊外の広い道が 55マイル/h、街が近くなると45、街を通過している時や峠などでは35 またはそれ以下。
写真は制限速度55マイル/hの区間。直線ですが道幅は決して広くありません。 もちろん片側一車線。

アメリカは右側通行で車は左ハンドルと、日本とは正反対の交通環境。「そんな 中を運転できるだろうか?」と心配する人は少なくないでしょう。 σ(^^) も 今回が初めてでしたが、運転し始めれば5分で慣れます。日本で8年以上も 左ハンドルの車に乗っていたことも早く慣れた理由の一つかもしれませんが、 もしそうでなくても、直線を走る分には全く問題ないと思います。
間違って反対車線に入ってしまうのは交差点です。事故を起こしたほとんどの 人が「つい、いつもの癖で左車線に入ってしまった」と言います。これを防ぐには、 交差点に差しかかったら自分で「右!右!」と声に出しながら曲がることです。

今日の目的地はキラウエア火山ですが、その前に途中の「プナルウ黒砂海岸」に 立ち寄りました。ホテルからここまで82マイル。
その名の通り、砂浜の砂が黒い! この砂は火山から海へ流れ出た溶岩が 砕けて細かくなったものなのです。
海ガメが甲羅干しにやって来ることでも有名ですが、ビーチにはこんな看板が・・・。 わざわざ日本語で書かれているということは、日本人観光客のマナーが悪いから?!
残念ながら海ガメを見ることは出来ませんでした。帰りにもう一度寄ることに。

黒砂海岸からハワイ火山国立公園までは車で30分ほど。1週間有効の入場料は 車1台US$10。本日のルートは、キラウエア・カルデラを一周する 全長約11マイルのクレーター・リム・ロード→ チェーン・オブ・クレーターズ・ロード→溶岩大地の予定。 クレーター・リム・ロードには、数カ所の観光スポットがあります。

まずはビジター・センターに寄って地図と各ポイントの簡単な解説が 書かれたパンフレットを入手(日本語版もあり)。 クレーター・リム・ロードを反時計回りへ走り、最初に立ち寄ったのが スチーム・ベンド(蒸気の噴出口)。雨水などが地熱で熱せられ、 岩の割れ目から蒸気となって吹き出しているポイント。 噴出口はここだけではなく、大小至る所にあります。
次に立ち寄ったのがジャガー・ミュージアム。地震計や火山活動に関する 資料などが展示されています。
博物館の外には展望台があり、キラウエア・カルデラが一望できます。 中央に見えるのが、カルデラの中で最大の火口、ハレ・マウマウ・クレーター。
ジャガー・ミュージアムを出てしばらく走ると、右側に見えてくるのが この看板。サウス・ウエスト・リフト、直訳すれば南西亀裂。
火山活動で出来た地割れ。幅も深さも数メートルあり、これがカルデラから 海岸線まで続いています。
先ほどジャガー・ミュージアムから遠くに見えたクレーターを間近に見られるのが、 ここハレ・マウマウ展望台。火口の直径は900m、深さは400m。 ここにはハワイ神話に登場する火山を司る女神「ペレ」が住むと言われている。
ハレ・マウマウ展望台から1.5マイルほど走った右側にある ケアナカコイ・クレーター。このような大小様々な火口が至る所にあります。
いよいよクレーター・リム・ロードを右折して チェーン・オブ・クレーターズ・ロードへ。キラウエア・カルデラから海岸線まで 一気に下る全長約20マイルの道路。見渡す限りの溶岩大地! 写真は今回の愛車、 フォード・トーラス。道路沿いには名前の通り、大小沢山のクレーターがあります。
途中の展望台から、溶岩大地と海が見えます!
ここがデッド・エンドと呼ばれるチェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点。 車で行けるのはここまで。手前がトイレ(汲み取り式。水道はないので要注意)で 奥がレンジャー・ステーション。レンジャー・ステーションの外壁には、 当日見学可能な箇所や徒歩の所用時間等が書かれた看板が掲げられています。
ホーレイ・シー・アーチ。海に流れ込んだ溶岩が、波の力で侵食され出来たもの。 レンジャー・ステーションの前あたりから海へ向かう小道を行った展望台から 見学可。見落としそうな小さな案内看板(実際一度見落として引き返しました!) しか出ていないので要注意。
ホーレイ・シー・アーチを背にした反対側の光景。どこまでも続く断崖は圧巻!  美しい海とのコントラストもきれいです。
レンジャー・ステーションから徒歩10分。溶岩流によって寸断された道路に 辿り着きます。ここが本当のデッド・エンドです。
本当のデッド・エンドから徒歩5分。オーシャン・エントリーが遠くに見える ポイントがあります。写真右の看板が目印。夜になると、海に流れ込む溶岩が 赤く見えるそうです。

「実際に赤々と流れている溶岩が見たい!」とは誰もが思うこと。溶岩流は 日々変化しますが、運が良ければ間近に見ることが出来ます。もちろんそれを 期待していたのですが、我々がハワイ島へ出掛ける20日ほど前に、溶岩を 間近で見られるポイントが立入禁止に・・・(涙)
それでも溶岩大地の上を歩くのは貴重な体験です。立入禁止の手前まで 歩いてみることにしました。

所々に、かつての道が顔を出します。写真右は溶岩に呑み込まれた道路標識。
冷え固まった溶岩は、しばしば火山を司る女神ペレの髪の毛に例えられます。 この写真を見ると、その感じがお分かり頂けるでしょうか?
ちなみに、溶岩のかけらを持ち帰ってはいけません。災いが降りかかると 信じられています。女神ペレの祟りじゃ〜 ←古い(笑)
ここが今回の終点。本当のデッド・エンドから徒歩1時間。 オーシャン・エントリーから風に乗って吹いてくる蒸気が生暖かった!  我々以外に誰もいない。風と波の音を聞きながら暫し眺め、生きている 地球を体感。
デッド・エンドへ戻る途中に見つけた、名もないミニミニ・シー・アーチ。
溶岩大地を歩いた2時間は、まるで異惑星に来た気分でした。
チェーン・オブ・クレーターズ・ロードをクレーター・リム・ロードまで 戻って右折。最後に訪れたのがサーストン・ラバ・チューブ、日本語に 訳すと溶岩トンネル。溶岩が流れる時に外側が冷えて固まり、内側の 溶岩だけが流れ去って出来たトンネル。国立公園内には、このような 溶岩トンネルが沢山存在しているそうです。
中は観光用にライトアップされています。思っていた以上に長く大きな トンネルでした。
ハワイ火山国立公園を出発し、来た道を戻ってプナルウ黒砂海岸へ。 今回も海ガメに会えませんでした(涙)。
その後ガソリン・スタンドで給油。ハワイは全米で最もガソリンが高い 州。レギュラー1米ガロン(約3.79リッター)US$3.35。 日本円にすると1リッター約106円。給油方法はクレジットカードを 使ったセルフ方式。

ここで問題。アメリカ合衆国最南端は何州にあるでしょう?
1.カリフォルニア州  2.フロリダ州  3.ハワイ州
正解は3のハワイ州。つまり、ここハワイ島の最南端が、アメリカ合衆国の 最南端(サウス・ポイント)なのです。

サウス・ポイントまでは、11号線(カイルア・コナからプナルウやキラウエアを 結ぶ主要道路)のマイルマーカー69と70の間を左折(キラウエアからコナへ 向かって)して南へ約8マイル。但しほとんどのレンタカー会社は、 このサウス・ポイント・ロードと呼ばれる区間を保険適用外としているので、 行く場合は自己責任です。 σ(^^) も承知の上で行きました。

最南端のカ・ラエ岬(ハワイ語で「先端」を意味する)までの道は、途中から 細くなり、対向車とすれ違う時は未舗装の路肩に車を寄せなければなりません。 また最後の1マイルくらいの舗装状態はかなり悪いです。

途中で一度道を間違ったため、岬まで50分ほどを要してしまいました。 「さてと、最南端から太平洋を眺めて、最南端を示す碑をバックに記念写真でも 撮るか!」と思って探しましたが、どこにも碑らしいものがありません。 建っているのは、写真の沿岸警備隊が使用するらしい目印塔(?)だけ。 以前行ったポルトガルのロカ岬(ユーラシア大陸最西端)に建っていたような 碑があると思っていたのに!
これが岬から見た太平洋。写真には写っていませんが、多くの地元民が 釣りを楽しんでいました。

サウス・ポイントから一路カイルア・コナへ。買い物を済ませてホテルに 帰り着いたのは20:00。
本日の走行距離は297マイル。1日で475キロを運転したのは 何年ぶりだろう。しかもキラウエアで2時間のハイキング&慣れない 右側走行での運転。流石に疲れた!! シャワー浴びてビール飲んで 死んだように寝ました。



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