滞在記 第6日目
(2014年5月28日 水曜日)


※写真をクリックすると拡大されますが、スクリプトが無効だと拡大されません。
画面上部や下部にセキュリティの警告が表示された場合は、
ブロックされているコンテンツを許可→アクティブコンテンツを実行して下さい。


出来るだけ画面を大きくして見てね〜 (=^▽^=)ノ

注) 1EUR(ユーロ)=約143円。
ホテルを8:15に出発、15分ほどでサン・マロ(Saint Malo)に到着。 ここは城壁に囲まれた町。城壁の上は歩くことが出来て、町を一周できます。 入場料はなし。
海に面して立つのが、冒険家ジャック・カルチェ(Jacques Cartier)の像。 彼はここから出航し、北米大陸を3度探検。 イロコイ族の言葉からその周辺の土地を「カナダ」と命名。 プリンス・エドワード島やセントローレンスに到達、現在のケベックに上陸し、 後のフランスによるカナダ植民の基礎を築いた人物。
今日も天気が悪くて残念。晴れていれば、海がきれいなんだろうな〜。 潮が退いた時だけ現れる道があって、対岸の島へ歩いて渡れる箇所がありました。
城壁を下りて市内へ。古い市場の跡が数カ所ありました。
フランスには珍しく(と言うか初めて見た)、犬の糞を拾うためのビニール袋が設置されていました。 最近はそれほどでもなくなったけど、以前のフランスは、どこへ行っても犬の糞だらけだったな〜。
城壁内の建物の90%以上は、第二次大戦で破壊され、今の町並みは戦後に再建された物。 このサン・ヴァンサン大聖堂(Cathedrale St-Vincent)も例外ではなく、大半は戦後に復元。 右の写真は破壊を免れた古い箇所。
可愛くて個性的な看板。 海賊の看板が多いのは、17世紀にイギリス海峡で大暴れしていた「コルセール」に由来。 彼らは敵国の船を襲う権利をフランス王から与えられていた、いわば合法的な海賊。 サン・マロはコルセールの拠点港で、彼らが略奪した富のおかげで、フランス最大の港になったそうです。
外側から見ると、サン・マロが城壁に囲まれた町であることがよく分かります。 右は城壁の外、海に面して建つカジノ。 フランスは少し大きな町には、必ずと言っていいほどカジノがあります。
見学時間は約2時間、10:30に駐車場を出発。
運転すること30分、次にやって来たのがカンカル(Cancale)。 ここは牡蠣の養殖や漁業が盛んな町、それを目当てに多くの観光客が訪れます。 牡蠣の養殖棚は7.3平方キロメートルもあり、毎年25000tも水揚げされるそうです。
σ(^^)の目的も、もちろん牡蠣。 実はこの日のために、昨年末から行き付けの魚が旨い店や海鮮居酒屋へ行っても、 生牡蠣は一切食べませんでした!(笑)
1つ1EURの牡蠣を6個、0.5EURの牡蠣を6個、フランス固有種の平牡蠣@1.5EURを4個食べ、 その後に0.5EURの牡蠣を12個追加! 味も上々で大満足! 値段の違いは大きさの違い。 でも1EURの牡蠣は0.5EURの牡蠣の倍はないので、0.5EURを食べた方がお得です。
食べ終わった殻は浜辺に捨てるので、辺り一面貝殻で埋めつくされています。
目の前には牡蠣の養殖棚。
今日フランスで食べられている牡蠣の殆どが、三陸牡蠣の子孫。1960年代の病害で絶滅の危機に瀕した際に、 日本から輸入されたものです。2011年3月11日に発生した東日本大震災で、壊滅的な被害を被った牡蠣棚。 これに対してフランス各地の養殖業者が震災直後から支援に立ち上がり、復興に力を尽くしてくれました。Merci Beaucuop!
昼食はBREIZH Cafeでガレット。開店時間と同時に入店したので、我々が一番乗り。 日本語が話せる、イケメンのフランス人ギャルソンが対応してくれました。σ(^^)はチーズ・ハム・オニオン・卵を注文。 シンプルで美味しかった! 日本にも支店があるそうですが、カンカルへ行った際は是非どうぞ!  ガレット×2とシードル+カフェオレで、計30EURでした。
13:00にカンカルを出発。 以前某テレビ番組で観た、モン・サン・ミッシェル(Mont Saint Michel)を別角度から見ることが出来るポイントへ。 アヴランシュ(Avranches)を通って、対岸の岬に着いたのが14:00。 残念ながら天気が悪くて写真が暗い! 晴れていれば、素晴らしい眺めなんだろうな〜。
再びアヴランシュを通過して、15年ぶりにモン・サン・ミッシェルへ。 草を食む羊をバックに建つ姿、これがモン・サン・ミッシェル最大の見所(理由は後述)。
今日のホテルは、ラ・カゼルヌ(La Caserne)地区内のホテル・ガブリエル(Hotel Gabriel)。 この地区へ入るには、入口に設けられているアクセス制限ゲートに暗証番号を打ち込む必要があります。 このシステムは知っていたので、日本を出発する前にホテルへメールしたけど返信なし(アドレスを間違えていたことに気付いたのは帰国後)。 ゲート近くにいた係員に予約票を見せても、「ホテルへ電話して暗証番号を教えてもらえ」の一点張り。 携帯電話で電話したけど、なぜか繋がらず。 それを話したら、インフォメーションセンターで聞いてくれと言われたので従うことに。 受付嬢に事情を話したら、ホテルへ電話して暗証番号を聞いてくれました。やっさしい!
でもゲートを通過する時に分かったことだけど、実際はシャトルバスが通過した後、 ゲートが閉まるまで数秒間ブランクがあるので、バスに続いて通過すれば問題なしだったかも。(笑)
ホテル着は15:30。館内は最近改装されたのか、とてもきれいです。 室内は決して広くないけど、シャワー浴びて寝るだけなら十分。 ホテルの入口に置かれている牛のオブジェ(看板?)、なぜ牛なんだろう?
通路や室内には、アンディ・ウォーホール風の絵が沢山飾られています。 廊下の床は板張りに見えるけど、実は毛足の長いカーペット。 ペンキ塗り立てのお知らせが貼ってあったけど、如何にも翻訳ソフトを使った日本語訳!  日本人宿泊客が多いってことですね。
早々に観光へ出発。モン・サン・ミッシェル行きシャトルバスの停留所は、ホテルの目の前。 モン・サン・ミッシェルでは現在、堤防道路(1849年築造)の影響により島の周囲が砂洲化しつつある状態を、 かつての「島」に戻す工事が進行中。2015年完成予定で、以前は駐車場となっていた堤防を撤去して橋でつなぎ、 海流により堆積砂を取り除く計画。
参道の入口にある、ラ・メール・プラール(la Mere Poulard)。 オムレツ(スフレリーヌ)の超有名店だけど、高い割りに味の評判はイマイチ。 日本にも支店があるので、そちらで食べた方が無難。15年前に訪れた時は話の種に食べてみたけど、今回はパス。
参道の両側には、土産店やレストラン等がぎっしり。看板が個性的。
以前テレビの旅番組で「モン・サン・ミッシェルを訪れる外国人観光客の4割は日本人」って言ってたけど、 これは本当ですね。多分、日本人対外国人の比は、浅草の雷門から浅草寺までの参道と同じくらい。 とてもここがフランスとは思えない人数、中国人や韓国人を圧倒しています!
急な坂と階段の上って修道院へ、入場料は9EUR。 途中の展望台からは、堤防を取り除いて橋をかける工事の進捗状況も見えました。
モン・サン・ミッシェルの建築は10世紀にスタートし、13世紀には現在の姿に。 ロマネスクとゴシック様式が混在しています。 頂部には、大天使ミカエルの像。 ミカエルは最後の審判を司る天使で、中世の宗教感覚において非常に重要な位置を占めています。 モン・サン・ミッシェルとは、「聖ミカエルの山」という意味。
西のテラスから修道院付属教会へ。 モン・サン・ミッシェルは修道院なので、内部は至って質素で地味。 多くの教会に見られる素晴らしいステンドグラスや彫刻等は一切ありません。 もちろん城のような豪華な施設もなし。 先にも書いたように、モン・サン・ミッシェルは近くからその全体の姿を見るのがメインイベントです。
祈りと瞑想の場でもあるこの回廊は、他の建物につながる通路の役目も果たしています。 この回廊は13世紀初頭に建てられたラ・メルヴェイユと呼ばれる建物の最上階にあり、 ここを通って合同の食事室や厨房、教会、共同寝室、古文書保管室、それと様々な階段へ行くことができます。
ステンドグラスも小さくて質素。
合同の食事室を通って階段を下りると、王や貴族たちを迎えた迎賓の間へ出ます。 修道院付属教会のゴシック様式の内陣を支えるために15世紀中頃に作られた柱の礼拝堂を抜け、 円形の天井高9m、修道院付属教会の交差廊の南側の基礎のために建てられた、聖マルタン礼拝堂へ。
巨大な車輪は、牢獄化していた修道院に幽閉されていた政治犯の食料を引き上げるために、1820年頃に設置されたもの。 更に進むと、聖エティエンヌのチャペル。
ロマネスク様式の修道院の中心となる南北階段を通って、修道僧の遊歩場へ。 交差リブを持つ円天井という建築様式は、12世紀初めのゴシック芸術の誕生を告げています。 その後、騎士の間と司祭の間を通って、修道院内部の見学コースは終了。 所々に、花崗岩をそのまま建物の基礎に用いている箇所が見られます。
干潟を歩いている集団がいましたが、専門のガイド付きでないと入れません。
ホテルへ戻って、今旅行最初にして最後の外食ディナーへ。 この辺りの名物は、塩分をたっぷり含んだ草とコケを食べて育った子羊、プレ・サレ(Pre Sale)。 その羊肉を使った料理で有名な、日本を出発する前に調べておいたレストランへ行きました。 その名もズバリ「Le Pre Sale」。
正直、悪くはなかったけど、評判ほどではありませんでした。 羊肉を使ったメイン×2に、サラダ、デザート、シードルロゼのミニボトル1本とソフトドリンクで、 計91.4EURでした。
ホテルへ戻って暗くなるのを待ってから、夜のモン・サン・ミッシェルへ。 昼間は人でごった返していた参道もご覧の通り。 シャトルバスは夜中まで(確か1時まで)運行されていました。
本日の走行距離は、ホテルからサン・マロまで7km、カンカルまで20km、 モン・サン・ミッシェルが見える対岸の岬まで73km、ホテルまで37km、総走行距離は137km。



滞在記 第7日目へ進む