滞在記 第8日目
(2005年8月20日)
注) 1GBP(イギリス・ポンド)=約210円。
あっと言う間に帰国日となった。いつものことながら、休みの日は時間の経つのが 早い!
地下鉄でノッティングヒル・ゲート駅に着いたのが9時。駅から歩いて10分ほどの 場所にあるのが、アンティーク・ショップを中心とするポートベロー・マーケット。 毎週土曜日(今日がその土曜日)には、2000を超えるストール(屋台)も立ち並ぶ。 カミさんの買い物に1時間以上つき合ったが、まだ見足りないというので 別行動することに。ここに限らず、今回の旅行でも散々カミさんの買い物に 付き合わされた。次回からは、もっと本格的な別行動計画を立てよう!
王立自然史博物館に着いたのが11時。入場料は無料! イギリスでは国立(王立)の 博物館や美術館はどこもタダ。素晴らしい!(笑)
建物は大英博物館に負けず劣らず重厚で荘厳。
正面入口を入った中央ホールに立つ、ディプロドクスの骨格標本。1億5000万年前に 生息していた、体長26mの草食恐竜。史上最長の陸生動物だ。
これが中央ホール。3階分の吹き抜け構造。
中央ホール1階には、ディプロドクスの標本の他にも、多数の海竜や 絶滅した生物の化石などが展示されている。
世界中どこの自然史博物館へ行っても、一番人気は恐竜のコーナー。 これはトリケラトプスの骨格標本。昨年アメリカ・ワシントンD.C.の 国立自然史博物館でも同じものを見た。トリケラトプスは、ティラノサウルスの 次に人気の高い恐竜。3本の大きな角を持つ姿からは想像できないが、 実は草食恐竜。
これはアロサウルスの骨格標本。この他にも、イグアノドン、ステゴサウルス、 ティラノサウルスなどの標本や資料が盛り沢山。
写真が暗くて分かりづらいが、これは本物っぽい動きをする ティラノサウルスの実物大復元ロボット。映画「ジュラシック・パーク」の ワンシーンのようだ。
中央ホール3階にあるジャイアント・セコイアの木の切り株。 樹齢は1300年以上。今まで切り出された中で最大の樹木。
1974年にエチオピアで発掘された320万年前の類人猿、 アウストラロピテクス・アファーレンシスの約40%の化石。 「ルーシー」の名で知られている。この時代の類人猿が二足歩行をしていた 重要な証拠となった。発見時、喜びに沸き立つキャンプに置かれたラジオから、 ビートルズのヒット曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」が 流れていたことから「ルーシー」という愛称が付いたそうだ。
他にも北京原人(学名:シナントロプス・ペキネンシス)など多数の猿人や 原人の化石が展示されている。
陸海に棲む現生哺乳類の実物大モデルが展示されているホール。象やキリン、 サイなどの大きさを遙かに凌ぐのが、中央のシロナガスクジラ(実際の体色は 白ではない)。確実な証拠が残っている中で、シロナガスクジラは 地球誕生から45億年の中で最大の生物。大きいものは体長30m、体重150tを超える。 この中にいると、人間が如何に小さな生物であるかを実感できる。
天井から吊り下げられているのは、各種クジラの骨格標本。写真手前に 写っているキリンの体高も5mを超えるが、それが本当に小さく見える!
こちらはアース・ギャラリー。地球の誕生から現在までの歴史と仕組みを、 楽しく判り易く学ぶことができる。今回は時間がなかったので急ぎ足に なってしまったが、もしまた行く機会があれば、その時は是非ゆっくり見学したい。 入口はヴィクトリア&アルバート博物館側で、自然史博物館とは別なので注意。 写真は入口を上階から撮影したもの。まずエスカレーターで3階まで上がる仕組みだ。
アース・ギャラリー内の地震を体感できるコーナー、その名も「神戸マーケット」。 地鳴りとともに床が揺れ、モニターには阪神淡路大震災発生時の映像(コンビニの 防犯カメラがとらえた棚から商品が大量に落ちるシーン)が流れる。 床が揺れると言っても、僅かに動く(震度2くらい)程度。 イギリスは地震のない国なので、こんなコーナーがあるのだろう。
次に訪れたのがヴィクトリア&アルバート博物館。ロンドン万博開催を 記念して、1852年に設立された博物館。ヨーロッパはもちろん、世界中の 装飾芸術品が揃っている。入場は無料! こちらも時間がなく急ぎ足の 見学になってしまったのが残念。先の自然史博物館と、 このヴィクトリア&アルバート博物館を見学するだけでも、 もう一度ロンドンへ行く価値あり。
145の部屋の中には日本のコーナーも。鎧や刀、浮世絵に陶器、 根付など「何でも鑑定団」に出品してみたい品ばかり!(笑)
館内の通路の長さを合計すると、ナント13km(!)にもなるそうだ。
左:トラヤヌス神殿の前に立っていた、紀元1世紀に造られた円柱の レプリカ。写真では分かりづらいが、とにかく巨大! 1本の柱の高さは 優に10mを超える。
右:こちらも巨大なケルトの十字架のレプリカ。
どこかで見たことがあるような・・・。小中学生の頃、歴史や美術の教科書に 載っていたミケランジェロ作「ダビデ像」のレプリカ。オリジナルはイタリア・ フィレンツェのアカデミア博物館にある。大きさは人間の等身大とばかり 思っていたが、実際は5mくらい。
先に紹介したトラヤヌス神殿前に立っていた円柱やケルトの十字架なども含め、 この「キャスト・コート」と呼ばれるホールに展示されている彫刻や鋳造品は 全てレプリカだが、オリジナルを忠実に復元している。
その後ハロッズへ。言わずと知れたイギリスを代表する高級デパート。 中に入ると、日本人率が今までに比べて一気に10倍くらい(!)になる。 両手に持ち切れないほどの土産を抱えている人も少なくない。 あんなに買って誰に配るんだろう?(笑)
ところで、ハロッズの現オーナーは、あのモハメド・アルファイド氏。 そのせいか、デパートの前に停まっていたベンツの スーパーストレッチ・リムジンの中には、3人のイスラム系女性が。 もしかしてアルファイド一族?!
館内の一画にはこんなコーナーが。展示されているのは、1997年に ダイアナ元皇太子妃とともに交通事故で他界したドディ・アルファイド (父親はもちろんモハメド・アルファイド)が、ダイアナに贈ろうと 準備していた婚約指輪と二人の写真。
その後ホテルへ戻り、預けてあった荷物を受け取って空港へ。 ロンドン発19:35、NH202便は定刻にヒースローを離陸。成田着は 予定より10分早い、翌21日の15:00。

今回もアッという間の9日間だった。旅行していつも思うことだが、 ようやくその町に慣れた頃に帰国となるのが残念。



滞在記 旅の感想あれこれへ進む